摂食障害(過食症・神経性大食症)
神経性大食症(過食症)とは
神経性大食症(以下過食症)とは、摂食障害の一つの型で、短時間に大量の食べ物を詰め込むように食べてしまうことと、その後に体重を増やさない試みとして、食べたものを吐き出す(自己誘発嘔吐)、下剤を大量に使用する、極端な食事制限や何時間にもわたる絶食をするということが、やめられない状態です。また、自分の体重や体型がとても気になり、体重が増えると「自分はダメだ」と感じて落ち込んでしまうなど、自分に対する評価が体重に大きく左右されます。
過食症は、近年になって急速に増加してきた疾患です。アメリカの研究では、大学生に相当する年齢の女性の4〜9%、それ以上の年齢の女性の約2%
程度が過食症であることが示されています。日本でも、青年期から若年成人期の女性の1〜3%が過食症であると言われています。
過食症の原因と維持メカニズム
多くの人は誤ったダイエットを契機に、過食症に陥ります。食事を制限し、体が飢えた状態になると、身体の防衛反応として過食衝動が起こります。これは、健康な人なら誰にでも起こるもので、多くのダイエットが「リバウンド」により失敗するのはそのためです。しかし、このようにして食べすぎた後に、吐いたり、下剤を使用したり、極端な食事制限を行ったりすると、体はますます飢えてしまい、脳から空腹だという信号が出されます。そして、また過食衝動が起こるのです。つまり、空腹(身体的飢餓)→過食衝動→過食→排出→空腹(身体的飢餓)という悪循環が生じ、この過食と排出のサイクルから抜け出せなくなるのです。
ストレスと過食
また、ストレスも過食嘔吐を引き起こす一因だと考えられています。過食症にかかった人に聞いてみると「過食している間だけは、頭が真っ白で何も考えなくて済む」「過食嘔吐をした後は、なんだかスッキリする」と感じている人が多いようです。つまり、過食と嘔吐が一種のストレス解消法になっているのです。完全主義的でNOを言うのが苦手な人や、ストレス発散するのが苦手な人が過食症になりやすいタイプといわれるのはこのためでしょう。ストレスと上手に付き合い、うまく発散させていくことも、過食症の克服にとっては重要なことです。
やせ願望と過食症
過食症の維持に関してもう一つ重要なのが「やせたい」「やせなければならない」という気持ちです。現代社会ではやせている女性がもてはやされる傾向にあり、やせを賞賛する風潮が過食症を増やしていることは否めません。しかし、たいていの女性はやせたいと思っていても、それが一番重要なことと考えているわけではありません。もし、あなたが自分は過食症かもしれないと感じているならば、次の質問を自分に問いかけてみてください。「自分の人生にとって、やせていることはどのぐらい価値があることだろうか?」「やせることは、現在の自分の目標の中で何番目に重要なことだろうか?」やせることと食事をコントロールすることが一番の関心事になってしまい、他のことがかすんでしまうと過食症となるリスクは高まります。人生で、やせること以上に大切にしたいことを見つけることと、ありのままの自分を認められるようになることが回復への鍵となります。
カウンセリング希望の方はこちらへ
-----------------------------------------------------------------------------------------------
参考文献
L.
ワイス他著 末松弘之監訳 1991 食べたい!でもやせたい−過食症の認知行動療法−
△上に戻る
